-RICOH GR Digital-
こつこつ貯める。
俺のライフスタイルにおいて「こつこつ貯める」の象徴ともいえるべき、
ローソンでのティーポイントサービスが終了したと知ったのは
おにぎりとスープはるさめワンタンをレジにはこび、いつものように
さりげなくTSUTAYAのティーポイントカードを渡した時のことだった。
サービスが終わったと告げられた瞬間、頭の中では今までのたくさんの思いが浮かび上がった。
会社のO君と一緒にこのローソンを訪ねた時、彼はお金とともに一枚のカードを取り出しては
満足げな笑みを浮かべていた。
それがティーポイントをこつこつ貯めていたと知ったのは、だいぶ時がすぎてからのことだった。
100円ごとに1ポイント、そして利用するだけでプラス1ポイントが加算される仕組み。
会社から歩いて10秒の距離にローソンありというティーポイントにとって恵まれた立地条件。
その中で彼は精一杯の自分なりのTSUTAYAカードを利用していたのだ。こつこつと。
それからは晴れた日も曇り日も雨が降る日も雷がおちた日も仕事をさぼった日もそれがばれた日も
会計の際にはいつもさりげなくカードを渡しつづけた。
「あ、すみません。ティーポイントサービスは終了しました。」
この場所ではたして俺は今までどのくらい貯めてきたんだろう。
それはちっぽけな金額にすぎなかったかもしれない。
それでも財布からカードを取り出し、レジのかわいいお姉さんにさりげなく
「ポイントもよろしくね」が習慣になった。
こつこつ貯める実感ができた。チャリーン。
「ポイントカードはお持ちですか?」(おそらくローソンカードのことであろう)
「はい。あ、(ポケットから出しては少し照れくさそうに)これはもう終わってましたね。」
「は、はい。」
おにぎりとスープはるさめワンタンを手に店を出た俺は、
少し離れたところからいつもと変わらぬその風景をしばらく眺めつづけた。 fin。